大変だけどやりがいがある
やりがいの大きさについて
人の移動を支えることは大変な作業です。利用者の安全を常に確保しなければならないので気も抜けません。人によっては排せつやおむつ交換などの介助も必要です。目的地のトイレの種類や位置などの下調べもしなければなりません。大変なことも多いですが、その一方でやりがいも大きいです。
移動介護従事者がいることで、これまで外出が困難だった人たちの行動範囲が広がります。外出はできないと諦めていた人が、移動介護従事者のおかげで様々な場所に行けるようになります。利用者から感謝の気持ちを伝えられることも多く、自分の仕事が人の役に立っている実感を持てるでしょう。直接「ありがとう」といってもらえたり、利用者の生き生きとした表情を見たりすることで、こちらまで元気をもらえます。仕事の達成感や満足度といった意味では非常に大きい仕事です。
また、利用者への支援を通じて新たな発見ができます。高齢者や障害のある人と接することで、今まで自分の中にはなかった視点や考え方が身につきます。自分の視野が広がることで対応力や行動力が強化され、人生そのものが豊かになるでしょう。移動介護従事者として働くことで、プライベートでは接する機会の少ない人とも出会えます。これまで知らなかった世界に足を踏み入れて新たな交流が生まれることで、前向きに日々を過ごせるようになるでしょう。
移動介護従事者に向いている人
移動介護従事者に向いているのは他者のサポートをすることが好きな人です。福祉や奉仕の精神があり、高齢者や障害のある人と交流することが苦にならない人にもおすすめです。支援対象となる高齢者は、自分よりも遥かに長い年月を過ごしてきた人生の大先輩です。障害のある人は、健常者である自身が知らない世界での経験や努力を重ねてきています。そのため、「自分の知らない世界を見てみたい」と思っている人にも向いています。
また、高齢者も障害のある人も、自分と同じ人間です。これまで高齢者や障害のある人に対して、どのように接すればいいか分からないと思っていた人ほど、移動介護従事者に向いているといえます。なぜなら、移動介護従事者として利用者と接する中で、自ずと自身の固定概念から解放され、視野が広がるからです。
加えて、方向感覚がある人も向いています。外出の際はガイドが必須です。行き先までのルートをすぐに頭の中でイメージできる人は、移動介護従事者に向いています。そういった意味では、同じ地域に長く住んでいて土地勘がある人にも向いているでしょう。